HIPHOPうんちくん

おもに米HIPHOPの新譜やアーティストのうんちくなどについてつらつらと執筆するブログです。

カニエ・ウエスト『The Life Of Pablo』ライナーノーツ原稿公開(後半)

前半はこちら)

ただ、今作は全方位から温かく受け入れられたわけではない。カニエにゴシップは付き物だが、今回、もっとも世間を騒がせているのが「Famous」問題だろう。

「俺とテイラー・スウィフトはセックスしてるかも。なぜってあのビッチを有名(Famous)にしてやったのはこの俺だからな」とのたまうリリックが話題となり、テイラー本人もカニエに抗議。「収録前にテイラーに電話をし、きちんと許可を得た」と話すカニエだったが、テイラー側は「そんな事実はなかった」と否定。しかしその後、キム・カーダシアンがスナップチャット上で、カニエとテイラーの通話音声をアップし、カニエの正当性を明らかにした。その音声ではカニエがテイラーに対して問題のリリックを読み上げてテイラーに「この箇所、どう思う?友達として君に事前確認したかったんだ」と問いかけている様子が。さらにテイラーは「前もって教えてくれてありがとう!感謝するわ。歌詞は好きにして」と答えている。

また、アルバム発表前後にカニエ自身がツイッター上で連続ツイートしたことも話題になっており、そこでは約60億円近い負債を抱えていることを告白したり、facebookの設立者であるマーク・ザッカーバークに向けて巨額な資金援助を求めたりと、ツイッター上での迷走も。自身の創造性を追求するあまり、周囲の理解を得られない言動が目立ったことも事実だ(カニエらしいといえば、十分にカニエらしい出来事だ)。

 さらに『TLOP』の内容に関して触れていきたい。今回、もっとも本アルバムに影響を与えたアーティストが「Ultra Light Beam」などに参加しているチャンス・ザ・ラッパーだろう。チャンスはカニエと同じシカゴ出身である若きミュージシャンだが、彼もまた、今年『Coloring Book』という見事な出来栄えのアルバムをApple Music限定で発表したばかり。こちらの作品にも『TLOP』と重なりあうような雰囲気が見え隠れし、もともとチャンスが『Coloring〜』用に温めていたアイデアをカニエとシェアする様な形で作られたのでは?と邪推してしまうほどだ。そして、本作をきっかけに大ブレイクを果たしたのが「Father Stretch My Hands Pt. 2」、「Freestyle4」にフィーチャーされている、ブルックリン出身の新鋭MC、デザイナー(Desiigner)だ。「Father〜」ではデザイナーの「Panda」というシングルの一節をそのまま使用しているが、その「Panda」 は『TLOP』以降にシングルとして正規発売され、みるみるうちにビルボードの総合チャート首位を奪取するまでのヒットに。ほぼ同時に、カニエ・ウエストが創設し、プッシャ・Tが社長を務めるレーベル、G.O.O.D MUSICとも契約を交わし、デザイナーは早くもスターラッパーの仲間入りを果たしたのだった。

他、「High Lights」で参加したヤング・サグは、アトランタの現行シーンを代表する若手ラッパー。多作家としても知られる一方、アルバム『Jeffery』のジャケットや、彼が起用されたカルヴァン・クラインのモデル写真ではユニセックスなファッションを取り入れるなど、そのチャレンジングな姿勢も、支持を集めている理由のひとつだろう。「Wolves」に参加したのはシカゴに生まれ、前述したチャンス・ザ・ラッパーと共に<SAVE MONEY CREW>の一員としても活動していたヴィック・メンサ。のちのインタヴューで「Wolves」はヴィックとカニエが初めて出会った日にレコーディングしたと語っている。同じ「Wolves」には自身のヒット「Chandelier」のほか、ビヨンセやリアーナらへの楽曲提供でも知られる引っ張りだこのシンガーソングライター、シーアが参加。なお、本曲は当初、ヴィックとシーアが参加したヴァージョンが発表されていたのものの、アルバムにはその二人のパートは除外され、代わりにフランク・オーシャンをフィーチャーしたヴァージョンが収録された。しかし、ファンの抗議も受けてか、再度、ヴィック&シーアとのオリジナル・ヴァージョンを収録、フランクのヴァースはのちに「Frank's Track」を名を改めて『TLOP』に収録された。このフランクも、今年は『blond』という傑作アルバムを発表。しかも、Apple Musicによる独占的な無料ストリーミンング形式としてリリースされて話題を呼んだことも記憶に新しい(ちなみにフランクのアルバムも直前になってそのタイトルが変更された)。「Fade」には、現在、西海岸の地から全米のストリート・ヒットを作り出すシンガー&プロデューサーのタイ・ダラー・サイン(今年はフィフス・ハーモニーとの「Work From Home」がトリプル・ミリオンを記録するヒットに)、そして、テキサス州ダラス出身で、「White Iverson」のヒットで瞬くまでにメジャー・ディールを獲得したMC、ポスト・マローンも参加。そして、追加収録された「Saint Pablo」にはUK出身のサンファが登場。インディ・シーンを中心に脚光を浴び、これまでにもSBTRKTやドレイク、ビヨンセら、FKAトゥウィグスらの作品に関わってきたサンファだが、『TLOP』以後もフランク・オーシャンやソランジュのアルバムにも携わり、その存在感は増すばかりだ。

 加えて、リアーナやケンドリック・ラマー、ザ・ウィーケンドにクリス・ブラウンといったスター・アーティストたちも『TLOP』に集結。そして「Father Stretch My Hands Pt. 1」でフックを歌っているのは、『808〜』以降、カニエに多くのイスピレーションを与えてきたキッド・カディだ。ただ、カディは2016年9月にカニエやドレイクに向けて「ヒット曲を作るのに30人体制で曲を作っているフェイクな奴ら。俺のことなんて気にしちゃいないんだろ」といった趣旨のツイートをし、炎上騒ぎに。その後、カディは鬱や自殺願望に苛まれる病にかかり、現在は治療中の身だと報じられた。ドレイクはこの発言に対して好戦的に返しており、カニエも当初、ライブの場で「お前に生を授けたのはこの俺だ!」とカディを諌めていた。しかし、その後は「カディのことを想って歌ってくれ」と、前置きして「Father〜」のフックをライヴの観客に合唱させるなど、カディを気遣う態度を取っていることも付け加えたい。

 さらに、ザ・ドリームやアウトキャストアンドレ3000、エル・デバージまでも登場して本作を盛り上げている他、ゲストといえば、このアルバムの重要なエッセンスを加えているのがカーク・フランクリンやケリー・プライスらの参加だ。もともと「次作はゴスペル・アルバム」になるとツイートしていたカニエだが、実際、彼らの歌声(と説法)を添えることで、よりゴスペル色を増すことに成功している。もう一人、「Siiiiiiiiilver Surffffeeeeer Intermission」にて獄中から電話を介した音声のみで参加したマックス・Bも、大事なゲストの一人。もともと、75年の懲役を言い渡され、現在も堀の中にいる彼だが、現在は早期釈放に向けて注力している様子。音声の録音など、本曲の制作を務めたのはマックス・Bの盟友でもあるフレンチ・モンタナだ。

 前作『Yeezus』世界の新鋭サウンド・クリエイターを集結させていたカニエだったが、サウンド面に関しては、今回はヒップホップそのもへの原点回帰とも言えるような、熟練ビート職人たちの参加も目立つ。長年カニエのツアーにも参加し、彼のサウンド・メイキングを担ってきたマイク・ディーンや、重鎮であるリック・ルービンを筆頭に、モブ・ディープのハヴォックやマッドリブらも参加。加えて、サウスサイドやメトロ・ブーミンらサウスの気鋭ビートメイカーや、バルセロナ出身のシンジン・ホーク、ノルウェー出身のカシミア・キャットらクラブ・ミュージック界の新騎手たち、ハドソン・モホークやボーイ・ワンダら、これまでのカニエ・サウンドに新たなスパイスを加え続けてきたトラックメイカーも一挙に名を連ねている。プロダクションに関して、ハヴォックが手掛けた「Famous」は90年代のヒッホップらしい太いドラムのビートが鳴り響くが、「Father Stretch My Hands Pt. 1、Pt.2」では最新のトラップ調の仕上がりであり、「Wolves」では深淵なビート感が強く印象に残る。「Fade」ではシカゴ・ハウス史にも残るユニット、フィンガーズ・ インクの「Mystery of Love」など、ハウス・クラシックをサンプリングし、大胆なサウンドスケープを体現している。

全体を通して唐突な印象を受けるトラックも少なくないし、まとまりがなくとっ散らかっている印象さえ受けるのだが、そこにカニエのエモーショナルなラップが乗り彼の衝動がそのままトラックに表されていると思うと、恐ろしいほどダイナミックなストーリー性を産み、また、非常に中毒的な魅力を演出しているとも言える。

 タイトルになった『The Life Of Pablo』の「パブロ」とは、キリスト教における使徒パウロを指す、とカニエは語る。本作の一曲目に収録された「Ultra Light Beam」は4歳の女の子、ナタリー・グリーンちゃんによる神への祈りのシャウトで幕をあけるし、「Low Lights」ではキングス・オブ・トゥモローの「So Alive」から女性ヴォーカルのアカペラを抜き出し、神への賛辞を大々的にフィーチャーしている。デビュー・アルバム『Colalge Dropout』に収録されたヒット・シングル「Jesus Walks」では「ヤツらは銃やセックスについてラップしろと言う。神のことなんか歌った暁には、俺の曲はラジオで掛からねえだろうな」と毒づいたカニエだったが、本作で語られている多くのトピックは<神>だ。

前作で「俺こそが神」だと高らかにラップしていたカニエだったが、自ら家族を築き、子供を授かったことで「神」は自分ではなく、再び<自分が崇める偶像>としてトランスフォームされたようだ。彼の私生活も踏まえて、一度<神>になったカニエが、自分の人生の転換期を経て再度、血の通った一人の迷える<人間>として完成させたのが、この『TLOP』だと筆者は捉えている。

 

 現在、カニエは本作を提げた大規模な北米ツアー中の真っ只中。ツアーでは、フローティング・ステージと呼ばれる宙吊りのステージの上にカニエが乗り、フロアではオーディエンスがひたすらカニエのラップに合わせてモッシュしながら盛り上がる、という異様な光景が繰り広げられている。筆者もシカゴ公演に出向いたが、数万人のオーディエンスが頭上のカニエを見上げながら盛り上がる様子は、さながら、なんとかしてノアの方舟に乗ろうとする動物たち、もしくは、神を崇めながらそのありがたい言葉を受け取ろうとする民衆たち、といった様子だった。

http://www.billboard.com/files/styles/article_main_image/public/media/Kanye-West-Pablo-Tour-2016-billboard-1548.jpg

 本作には、世界一ワガママで身勝手で風変わりなアーティストであるカニエ・ウエストが伝えたいことすべてが詰まっている。<家族>と<信仰心>というシンプルな二本柱がそのメッセージの核たる部分と言い切れるが、それに付随する彼のシニカルさやユーモア、絶望にも似た気持ちなど、無機質でミニマルだった前作とは打って変わった非常に人間臭い一枚だ。タイトルの変更や内容のアップデート、さらにはその言動の一挙一動まですべて含めた<アート>を感じるべく、彼の言葉とサウンドに耳を傾けてほしい。

 

2016.11 text by 渡辺志保

カニエ・ウエスト『The Life Of Pablo』ライナーノーツ原稿公開(前半)

こんにちは。突然ですが、お蔵入りになっていたカニエ・ウエスト『The Life Of Pablo』のライナーノーツの原稿を本ブログにて公開したく思います。本稿を執筆した詳しい経緯は省きますが、せっかく書いたものなので、どなたかに読んでほしいな〜と思った次第。レーベルの方による校正などもしておりませんので、記述に誤りなどあったらゴメンなさい。あと、約1万字のボリュームですのでめちゃくちゃ長いです。前後編に分けました。後半はコチラ。そして、もとのテキストの間にYoutubeなどのリンクを埋め込んだら逆に読みづらくなったような気も…。すみません。

ちなみに『TLOP』はストリーミング配信をメインの形態として発表された作品ですが、日本での再生回数のシェア率は他国と比較してダントツで低いそうです…。超微力ながら、このブログを読んで、ラッパー/アーティストとしてのカニエならびに『TLOP』に興味を持ってくれる方がいれば嬉しいです。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/en/4/4d/The_life_of_pablo_alternate.jpg

なお、『TLOP』はこちらで聴けます。

(以下、2016年11月に執筆した原稿となります)

 

 これまでに6作のオリジナル・アルバムを発表し、同時にゴシップや不可解な行動で世間を騒がせてきたカニエ・ウエスト。彼が7作目のアルバムとして発表したこの『The Life Of Pablo』は、彼のこれまでのキャリアにおいてどの作品とも似ていない、また、現時点におけるどんな音楽アルバム作品とも似ていない、奇妙奇天烈な音楽作品だ。複雑だけれどもシンプルで、幾つもの面によって彩られた万華鏡のようでもあり、かと思えば高い壁に阻まれた巨大迷路のようでもある。何とも稀有なアルバム作品である。

 まずは、本作のリリースに至るまでを溯ろう。2004年に発売されたデビュー作『The Collage Dropout』に始まり、『Late Registration』(2005)、『Graduation』(2007)の三作は<大学三部作>とも呼ばれ、彼の生い立ちやゴシップ的な話題に盛大な皮肉を込め、時には自虐ネタも大いに盛り込んでラップした内容も目立つ。初期の<早回しサンプリング・サウンド>や、マルーン5アダム・レヴィーンとのコラボ、ダフト・パンクの引用など、ヒップホップ・サウンドに新たなスパイスを加えたカニエの作風やアーティストとしてのアイデンティティは、この三作においてその大部分が形成された。

その後、カニエというアーティスト性にさらに変化が生じたのが、『808s & Heartbreak』(2008)だ。婚約者との破局、そして母親との死別という二人の女性という二人の女性との別離によって感情を突き動かされて完成されたこのアルバムは、全編にオートチューンを多用し、悲壮感や喪失感、孤独感に溢れたアルバムとなった。

それとは反対に、続く『My Beautiful Dark Twisted Fantasy』は、『808s〜』で心情的にどん底まで沈んだ経験をバネにするかのような豪奢な作品だ。リード曲「Runaway」のショートフィルムや、ジョージ・コンドのドローイングをフィーチャーした赤いジャケットにも象徴的なように、自身のアルバムをより<アートフォーム>として昇華させた一枚でもある。

その翌年、カニエはジェイZとのコラボ・アルバム『Watch The Throne』をドロップ。

高級ブランド、ジバンシィクリエイティヴ・ディレクターであるリカルド・ティッシが手がけたジャケットも話題になり、「Niggas Is Paris」のリリックに見られるように、カニエのゴージャスでマテリアリスティックな欲求も、ここでピーク・ポイントを迎えたかのように見えた。

2013年には、7作目となるオリジナル・アルバム『Yeezus』を発表。サウンド・プロダクションにはハドソン・モホークやアルカ、ダフト・パンクやゲサフェルシュタイン、ブロディンスキーらも参加し、「I am the GOD(俺は神だ)」と主張しながら、従来のヒップホップ・サウンドとは一線を画すような攻撃的なトラックを揃えた。

『Yeezus』に収録された「New Slaves」ではモノに囚われる消費社会に対して警鐘を鳴らし、これまでのカニエのアルバム作品とは打って変って、ジャケットも無い(透明なプラスティック・ケースと銀色のディスク本体のみというミニマムな作りだ)、また、ラジオ・プレイ用のシングル曲もない、という規格外の問題作として発表された。自らを「神」と称し、カニエは次のステップ…というよりも次の進化過程に進んでしまったかのように見えたのだった。

  そんな「神」が提示した最新作が『TLOP』になるわけだが、本作を発表する間に、カニエの人生をガラっと変える出来事が起こった。それが、キム・カーダシアンとの結婚、そして、ノースとセイントという二人の子供の誕生だ。2013年6月、『Yeezus』発売のわずか3日前に、カニエとキムの間に第一子となるノース・ウエストが誕生。この時、二人はまだ交際中であったが、カニエがキムに(野球場を貸し切ったド派手な)プロポーズをし、2014年にめでたく夫婦となった。奥方のキム・カーダシアンといえば、リアリティ番組を通じて全米、ひいては世界中に自身の家族とのセレブ・ライフが放送されているお騒がせスターである。キムを始め、妹のクロエやケンダル、カイリーらを含む家族全員がセレブ芸能人として活動している唯一無二のファミリーだ。彼女のリアリティ番組を見ればわかるように、キムの生活には家族の存在が欠かせない。母ドンダをとことん愛し、彼女の逝去以降、母そして家族の存在を渇望していたとみられるカニエは、カーダシアン・ファミリーに大いに刺激されたのではとも推察する。カニエは、あのポール・マッカートニーと共作したシングル「Only One」を2015年元旦に発表する。

ここではカニエが娘のノースに対する愛情を歌っており、一部、故ドンダの目線から歌われた歌詞もあるほどで、父性溢れる心温まる一曲に仕上がっている。『Yeezus』で無機質な様式美を提示していたカニエとは180度対極と言ってもいいかもしれない。カニエといえば、パパラッチに対して乱暴な態度をとったり、MTVの祭典であるVMAの席でテイラー・スウィフトのマイクを奪い「お前じゃなくてビヨンセが賞を受け取るべきだった」と発言したりと、その身勝手で粗野な行動も度々報じられてきたが、パパになってからのカニエは、自作ブランドの新作スニーカーをタダで配布したり(なんと、馴染みのパパラッチにもプレゼントをするほどの大盤振る舞いっぷりだ)、自身の私設ファンクラブのメンバーを自宅ディナーに招待したりと、まるで性格が丸ごと変わったかのような人格者的行動が多く報じられたのだった。そして2015年12月5日、新作アルバム『TLOP』の発売も間近では、と囁かれていた最中、第二子となる長男・セイントが誕生したのである。

  本作がリリースされるまでにはこれまでに異常なまでの紆余曲折があった。もともとタイトルは『So Help Me God』となる予定で、2015年3月には13世紀の修道院聖母マリアを表すのに使用されていたと言われる文字を配したジャケット画像まで発表されていた。

また、2015年1月には「Only One」に続いてポール・マッカートニーとタッグを組み、リアーナも参加した「FourFiveSeconds」を発表。

その後、カニエはツイッター上で「アルバム名『SWISH』に変更する」とプラン変更を明らかにし、また、同時期にはシーアとヴィック・メンサを迎えたシングル「Wolves」、そしてセオフィラス・ロンドンとアラン・キングダムをフィーチャーした「All Day」も発表され、いよいよ新作発売か?とファンの期待も高まっていた。

また、その間、カニエはアディダスと組んだ自身のアパレル・ブランド<YEEZY SEASON>も立ち上げており、売り出されるスニーカーは即完売、ネット上でプレミア値が付くほどの騒ぎになるほどだった。

2016年に入り、アルバム発売への針は大きく進む。元旦にはドレイクとフューチャによる楽曲「Jumpman」に触発されたと思しき「FACTS」をサウンドクラウド上で発表。ここでは兼ねてのビジネス・パートナーであるNIKEの事を痛烈にディスり、非常に感情的な一曲で2016年が幕を開けた。1月9日には、妻、キム・カーダシアンがツイッターで新曲「Real Friends」を発表。続いて同日、カニエがツイッター上で「Swish February 11 16」と、アルバム発売日と思われる日程を発表し、1月18日にはケンドリック・ラマーとの新曲「No More Parties in LA」をリリース。1月25日はツイッター上でノートパッドに書かれた手書きのトラックリスト計10曲分を公開。

http://i.imgur.com/Qn1TaUv.jpg

1月27日、ツイッター上で「新タイトル、WAVES」とつぶやき、先日のノートバッドの画像を更にポスト。ただし、同一のものではなく、既存のトラックリストに加え、そこにはキムやスウィズ・ビーツ、A$APロッキーらのサインが増えていた。更に翌日、再度アップデートされたノートバッドの画像が。そこにはチャンス・ザ・ラッパー、アール・スウェットシャツ、ジョーイ・バッドアスらの名前に、エンジニアのマイク・ディーンらの名前も増加。

(こちらはノートパッド最終ヴァージョン

http://i.imgur.com/TPc2i6T.jpg

2月2日、カニエは自身のブランド「Yeezy Season 3」のコレクション発表、並びに『WAVES』の発表会を2月11日にニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデン(MSG)で行うとアナウンス。更には、その模様が世界中の映画館でライブ中継を行うことも決定(のちにストリーミング・サーヴィスのTIDALで中継されることも決まり、MSGのチケットは10分でソールドアウトに)した。2月10日、さらにツイッターで再度アルバム・タイトルを変更したと発表。最終的に『The Life of Pablo』がタイトルになる、と伝えた。翌日にはベルギー出身で、ラフ・シモンズとのコラボ作でも知られるアーティスト、ピーター・デ・ポッターのデザインによるジャケット写真も公開し、2月11日のお披露目会に向けて着実に情報を開示してきたカニエであった。2月11日、無事にMSGでコレクションの発表がなされ、同時に『TLOP』もそのBGMとして会場でお披露目をされた(ちなみに、コレクションのモデルにはヤング・サグやリル・ヨッティー、イアン・コナーといった若手MCらもモデルとして起用されていた)。しかしその後、さらに『TLOP』に変化が起きる。MSGでのコレクションの後すぐに、カニエは再びスタジオに入り「30Hours」をレコーディング。同時にツイッターで「とうとうアルバムが完成した」と宣言し、最終的なトラックリストを公開した。なお、そのタイミングで「マスタリングが終わったから、今日にでもアルバムを発表する」とツイートしたカニエだったが「チャンス(ザ・ラッパー)のせいでアルバムが出せない。あいつは「Waves」を収録したがっている。今、一緒にスタジオにいる」と、チャンスとともに再度、アルバムに手を加えている様子を実況中継。そして、2月14日にはTV番組「Sturday Night Live」にて豪華ゲストらとともに生ライヴを敢行。その直後、ようやくストリーミング・サーヴィスのTIDAL限定でやっと『TLOP』が世界中に配信された。ファンはどれだけカニエに振り回されたことか!

 ただ、これで終わりではない。配信先が限定されているTIDAでの独占発表ということもあり、ここ日本でもすぐにはアルバムが聴けない状態だった。そんな状況下でも、「TLOP」は発表から1週間足らずでストリーミング回数100万回を達成。さらにはTIDALの会員数も2倍以上に増え、驚異のカニエ・パワーを見せつけた。発売から1ヶ月後、カニエは信じられないことに「Famous」の内容を一部変更し、アルバムをアップデート。「『TLOP』は生きて呼吸をしているクリエイティヴな表現制作物なんだ。#コンテンポラリーアート」とツイートし、永遠に進化を続けるアルバム(と読み取れる)だとオドロキの発言を発表した。それからも、カニエは「Wolves」に手直しを加えたり、新曲「Saint Pablo」を追加で収録したりと、飽きることなく、この『TLOP』を<進化>させてきたのだった。

(後半に続く)

アリアナ・グランデ マンチェスター公演テロ事件に寄せて

すみません、普段こういう時事的なポストはしないのですが…(というかブログ自体頻繁に更新しないのですが)。あまりにもこの事件がショックすぎて、ツイッターで言うのもな、と思いブログにしたためます。

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今朝、出勤前にテレビから飛び込んできたニュース。イギリス・マンチェスターで歌手のコンサート会場で爆発があったと。死者もいる、と。

慌てて画面を見ると、アリアナ・グランデのコンサートだと報じられていました。そして、会場はマンチェスター・アリーナ。ここの会場、なんとたった数週間前に私の知人がコンサートを観に、わざわざ東京から訪れていたアリーナだったんです。私自身、この間の連休にはアトランタでフューチャーのライヴを観たばかりだったので、何というか…背筋が凍るようでした。

事件の詳細はこちらから。

亡くなった22名の犠牲者のうち、16歳以下の子供は12名にのぼるそうです。

アリアナといえば、圧倒的な歌唱力はもちろん、キュートであり、セクシーさを打ち出しながらもヘルシーな魅力もあって、世界中の女の子の憧れだったはず。お客さんの多くはティーンの女の子だったことでしょう。お小遣いを貯めて、やっとの思いでこの日を迎えた子もいるかもしれない、アリアナを追いかけて他国からマンチェスターを訪れた子もいるかもしれない。アリアナに近づきたくて、前日の夜に友達とファッションやメイクについて話していた子もいるかもしれない、コンサートが終わって、興奮しながらSNSに感想を書き込んでいた子もいるかもしれないーー。目撃者の証言として報じられていた内容には「ちょっと早めの誕生日プレゼントとして、家族からアリアナのチケットをもらった。人生で初めてのコンサート体験だった」と、8歳の息子のことを語る親もいました。本当にやるせない気持ちです。決してこれが、大人ばかりが集うコンサートだったらいいのかとかそういうわけではないですが、よりによって低年齢のファンも多いアリアナ・グランデのコンサートを狙った、という事実がただただ辛い。彼女に憧れていたような、キラキラした女の子たちの命がいくつも奪われたと思うとやるせません。

アリアナのステージを観て、本来であれば夢や勇気をもらうはずだったコンサート会場でこんなに凄惨な事件が起こってしまったこと、本当に本当に残念に思います。

日本のニュースで「イタリアで行われるG7のサミットを目前にしたアンチ・トランプ(アンチ・アメリカだったかも…)のテロリストによる犯行ではないか」と語っているコメンテーターもいましたが、トランプもしくはアメリカへのヘイトを込めてこのコンサートが狙われたのなら、余計に残念です。ちょうど先日、ある女性向けの媒体から「トランプとヒップホップ」についての原稿を依頼されていたばかりで、改めてケンドリック・ラマーやロジック、ジョーイ・バッドアスらのアルバムを聴き返して、彼らの音楽やリリックが持つパワーを再確認していたところでした。なので、歌やエンターテイメント作品の持つパワーは結局無力なのか、それどころか、テロ事件に利用されてしまうのか…と勝手に気持ちが沈んで行きました。

ちなみに、ドレイクも先日ヨーロッパ・ツアーが終了したばかり。アリアナの事件を受け、インスタグラムにこんなポストを。

(俺たちもヨーロッパのツアーを終えたばかりで、こんな恐ろしいことが起こるんじゃないかとよく話していた。そんなことが現実に起こってしまい、押しつぶされそうな気分です。事件に巻き込まれたすべての遺族の方にお悔やみを。マンチェスターのために、そして、アリアナにピースな心が訪れるように祈ります)

アリアナはまだツアーの真っ最中で、スケジュール通りであれば、次は5月24日にロンドン公演が控えています。TMZは彼女がツアーをキャンセルするらしい、と報じているけれど、現時点(日本時間5/23 23時)では、公式のアナウンスメントは発表されておらず、アリアナのHPには予定通りのツアーの日程が。8月には来日公演も予定されていますが、個人的には、歌手アリアナ・グランデではなく、23歳の女の子として、今はゆっくり休んで心を鎮めて欲しいなと思います。そして何より、命を奪われてしまった方々へご冥福を祈ります。
 

映画「ムーンライト」と『DAMN.』、そしてコダック・ブラック

こんにちは。

話題沸騰中の映画『ムーンライト』ですが、先日、二度目の鑑賞を終えました。

二度目となるとやはり細かい点にも気が付くもので、フアンが下の歯にゴールドとダイヤのグリルをはめ、真っ白いNIKEエアフォースワンのハイカットをバチっとロックしている姿など、改めてかっこいいなと思った次第です。ちなみにブラックは上下の歯にプレーンのゴールドのグリルだったので、そこはフアンと違うんだ〜などと思いながら観ていました。映画本編の冒頭のシーン、フアンが自分の手下のハスラーと話すとき、手下の彼がフアンに対して「thanks for the opportunity」と言うんですよね。ドラッグを捌くことはいけないことだと思うけど、貧しい地区でサヴァイヴしていかねばならない彼らには、そうせねばならない、それぞれの理由がある。確かこのあと、彼とフアンの間で「母さん(の病状)は?」「良くなっている」みたいなやり取りもあったかと思うのですが、手下の彼は、フアンからの手助けがないと家族を養い、母を看病することは出来ないのかもしれない。なので、ドラッグを捌いて金を受け取ることは彼にとってまぎれもない「opportunity(好機、チャンス)」なんですよね。たとえそれが、社会的に許されないことだったとしても。学校でシャイロンをいじめるテレルという少年(ちょっとワカ・フロッカ・フレイム的ヴァイブスを感じてしまうのだが)が出てきますが、彼もシャイロンへ投げつける言葉の中で「お前、(フアンの女の)テレサの所にいくのかよ?」とフアンの影をチラ付かせます。不良気質のテレルは、もしかしたら地元の名ハスラーである(ことが推測される)フアンに憧れていたのかもしれないですね。なので、フアンがかわいがっていたシャイロンのことを余計にいじめてしまうのかも…など、勝手に想像してしまいました。

 そして、二度目の『ムーンライト』を鑑賞して、私は改めてフアンとシャイロンの関係性についても色々と考えてしまったんです。例えば、物語のキーともなる、フアンがシャイロンに泳ぎを教えるシーン。シャイロンにとって、初めて海で泳ぐという体験をした日です。二本の脚を使って陸で歩くのとは異なり、手足をかき回すようにして海の中を泳ぐのは、これまでの日常世界とはまったくことなる「スキル」が必要。これまで、シャイロンに泳ぎを教えてくれる人なんて誰もいなかったのかもしれない。新しい世界で生きる術を教えてくれた人、シャイロンの人生のガイド役となったのがフアンだったのでしょう。劇中、フアンが「ドアに背を向けて座るな」と説くシーンがありましたが、恐らくフアンは自身の命を落とすまでにたくさんの「ハスラーズ・ルール」をシャイロンに教えたのではと思います。ちなみにこの時、勝手に私の頭の中に流れたのはハスラーたるもの…と<ギャングスタな心構え>が説かれる2パックの“Ambitionz Az A Ridah”でした。

物語が進んでいき、大人になったシャイロン(ブラック)が車に乗せていたのは、フアンから譲り受けたと思われる、王冠のフィギュア。誰もが「俺はキングだ」と思いながらサヴァイヴしているのが、彼が住む世界なのだなあ、と感じたのです。

でもって、これらのことを「俺には王の血がDNAに組み込まれているのさ!」と歌うキング・ケンドリックことケンドリック・ラマーの世界観にも照らし合わせずにはいられませんでした。鑑賞直前まで彼の最新アルバム『DAMN.』の原稿を書いていたから、ということもあって余計にそんな風にトレースしてしまった。映画『ムーンライト』はジャマイカ・キングストン出身のベーシストでもある、ボリス・ガーディナーの楽曲“Every N***** Is A Star」で幕を開けます。

ヒップホップ・ファンならハッとするかもしれませんが、この幕開け、ケンドリック・ラマーの3作目『To Pimp A Butterfly』とまったく同じなんです。しかも、監督のバリー・ジェンキンス氏はケンドリックの『TPAB』で初めてこの曲の存在を知ったそう(ちなみにボリス・ガーディナーも当時、ジャマイカで作られたブラックスプロイテーション映画のためにこの楽曲を制作したんですって)。

『ムーンライト』では<リトル、シャイロン、ブラック>と、1人の「シャイロン」のストーリーが3部に分かれて展開されますが、『DAMN.』に収録されている”FEAR.“という曲において、ケンドリックも7歳、17歳、27歳の頃の自分のストーリーを3つのヴァースに落とし込んでラップしてるんです。<とことん自分の内面と向き合いながら、変化や困難を受容していく>というテーマにおいても、双方の作品の共通性を感じてしまいました(やや強引かもしれないけど、マジでずっと『DAMN.』のことを考えながら観てたので笑!)。

また、『ムーンライト』の舞台となっているフロリダのリバティシティですが、同じフロリダのプロジェクト出身の若きラッパーがいます。最初に『ムーンライト』を見てから、彼のことも頭からずっと離れずにいました。彼、コダック・ブラックという名前なのですが、リバティシティのプロジェクト(低所得者用住居、またはそうした住居が並ぶエリア)からもほど近い、フロリダ州のポンパノ・ビーチというところの出身で、両親はハイチからの移民だとか。

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現在、まだ19歳なのですが17歳頃から彼のリリースするミックステープが高く評価され、ドレイクやフレンチ・モンタナにもフックアップされるなど、サウス・エリアの若きホープとしてヒップホップ・リスナーからの注目を多く集めていました。

ただ彼、かなりの悪ガキで、幾度となく逮捕〜少年院送り〜裁判〜釈放を繰り返しています。今現在も、暴行容疑で係争中だったり。そんなコダック、つい最近、デビュー・アルバム『Painting Pictures』を発表したばかり。テキサス・ラップの重鎮、バン・Bからアトランタのスター、ジーズィーやフューチャー、ア・フーティー・ウィッダ・ブギーらが参加しており、共演メンツはめちゃくちゃ豪華。そんなコダックなのですが、アルバムの発売と同時にショート・ドキュメンタリー動画『Project Baby』も発表したんですね。このタイトルは、彼がキャリア初期に発表したミックステープに由来します。全編、Youtube上で無料で観れますので是非。

で、その『Project Baby』に出てくるコダックのフッド(地元)の様子が、『ムーンライト』でシャイロンが育ったプロジェクトにそっくりなんですよ。痩せた芝生に覆われた低層階の家や、フェンスで囲まれたエリアなどなど。偶然ですが、コダックも「ブラック」というニックネームで呼ばれていたそうです。映像の中では、コダックの兄や友人たちまでもがフッドを案内してくれますが、自分が生まれ育った地元であっても、常に油断はできない緊迫した空気が漂い、生々しく我々の目に映ります。動画内では「もしも俺が私立の学校に行ってれば、ゴタゴタに巻き込まれずに済んだと思う。でも、そんな学校に行っていたら、今の俺は存在しないもんな。学校に行ってもさ、みんなフレッシュにキマってるのに、俺だけフレッシュじゃない。俺が学校に行くのは、一発カマして新しい服をゲットした日だけだった。俺の人生は、血と汗、涙(blood, sweat and tears)…そして復讐(revenge)なんだ」と語るコダック。わずか19歳にして人生は復讐だと定義づけるとは…。また、彼は自身のラップを「映画みたいだ」と説明します。自分がリアルに体験していることを楽曲にする。それを聴いたリスナーは、まるで自分が同じことを追体験しているかのように感じる、と。「俺はラップはしない。リアルなことをイラストレイトしているのさ」と語ります。動画の中で最も印象的だったのは、父親のことを語るコダックの姿です。

「写真の中に親父は居ない。もし親父が俺のそばにいたら、俺はこうなっていなかったはず。一度、自分が捕まった時に、めっちゃ親父に会いたいと思った。もしも親父が死んでも泣かないと思う。もし親父が近い存在だったら泣いたと思うけど…例えば、一緒に楽しいことをしたりとかさ。でも、俺は釣りの仕方すら知らないんだ」

シャイロンも、父親の姿を知らずに育ちます。彼にとっては初めてのファーザー・フィギュア(父親の代わりとなるような年長の人)がフアンだったのだと思います。フアンに泳ぎ方を教えて貰ったシャイロンですが、コダックも先輩たちとツルみはじめてラップすることを覚えたと語っていました。彼にとって新しい世界に通じる「スキル」が、まさにラップなのだろうと思います。今後、コダックは一緒に釣りが出来るようなファーザー・フィギュアを見つけることが出来るのでしょうか。そもそも、コダック自身そろそろ父親になるそうで、ひょっとしたら自分の子供に釣りを教える方が先かもしれません。

ちなみに『ムーンライト』のバリー・ジェンキンス監督はサウスのヒップホップ、そしてなかでもチョップド&スクリュー系のモノが大好きだったそうで、映画の中でもグッディ・モブ"Cell Therapy"や、何よりチョップド&スクリュードされたジデーナ"Classic Man"が印象的に使われています監督&音楽ネタで面白かったインタヴュー記事はPitchforkのコチラ。

そして、翻訳家の押野素子さんに教えていただいた『ムーンライト』の音楽を担当したニコラス・ブリテルのインタヴュー・ポッドキャストも、とっても面白かった!どのようにしてあの印象的なメロディが創られていったか、そして、主となるメロディのキーを変えるなど、どのようにして三つのチャプターに併せて楽曲の印象を変えていったかなどをブレイクダウンしており、とても興味深いです。もちろんチョップド&スクリュードについても!

Nicholas Britell - Moonlight — Song Exploder — Overcast

最後にこんなことを書くのもアレですが、『ムーンライト』の字幕で<ジョージアアトランタ州の>と表記されていた箇所がありましたよね。正しくは<ジョージア州アトランタ>なんだけど、ここはあえてアトランタ州の、という表記にしたのかな?んん?アトランタ好きとしてはやはり引っかかってしまいましたね…。

では、また〜。

 

シカゴ出身の女性MC、ノーネームに思うこと。

2016年は、初めての女性東京都知事が誕生したり、ヒラリー・クリントンも米大統領候補として健闘したり、ビヨンセとソランジュ姉妹の主張溢れるアルバム2作が全米首位を獲得したりと、やはり女性の活躍が目立った一年だったのではないでしょうか。VH1のHIPHOP HONORSも女性MCを讃えるモノだったしね。

その中で、とりわけ印象的だった女性アーティストの作品を紹介したく思います。

彼女の名はシカゴ出身のノーネーム(Noname)。同郷であるチャンス・ザ・ラッパー周辺で活動していた彼女ですが(雑な説明ですみません!)、2016年、サウンドクラウド上でEP『Telefone』を発表しました。

柔軟なフロウと歌声のナチュラルなコントラストがとても耳障りがよくて、特にコーラスワークには、繊細でオーガニックな美しさが滲み出ているよう。とはいえ、個人的に彼女の魅力の真髄はそれ以外の点にあると思っています。それは、女性(もっと言うなら、アメリカに生きる黒人女性)ならではの視点からラップしているのがとてつもなくユニークで素晴らしい点。彼女は昔から詩を書いていたそうで、歌詞は「リリック」というよりも「現代詩」と言った趣。思いがけない単語を組み合わせてドキっとする描写をするんです。あと「リリックの意味がよく分からない」と言われることも多いみたいで、ノーネーム自身、インタヴューでは「私の詩は好きに解釈してくれて構わない」と答えています。『Telefone』の中でも評価が高いのが「Casket Pretty」という曲で、「casket」は「棺」という意味。この場合、若者たち、幼い子どもたちが棺の中に入らねばならない=命を落とす、という事実が語られているんですね。

Roses in the road, teddy bear outside

Bullet there on the right

Where's love when you need it

(路上の薔薇、外に置かれたテディベア

あそこの弾丸 

必要なとき、愛はどこにあるの)

(この歌詞の前には、男性が警察に殺される描写が)

薔薇の花は追悼のためのもの。テディベアも同じく、ですよね。しかもテディベアのぬいぐるみを供えるくらいだったから、もしかして命を落としたのはまだ小さい男の子だったのかな。それとも、大人の男性が撃たれて彼の子どもや親戚の子がせめてもの思いで供えたテディベアだったのかもしれない…と、この数行でいろんな光景を想像してすごく切ない気持ちになってしまいます。そして、私が涙を流さずにいられないのが「Bye Bye Baby」という曲。この曲、ノーネームはFADERのインタヴューでこんな説明をしています。

「堕胎を経験した子たちのために、ラヴソングを作りたくて書いた曲。人々が堕胎について話すときって、大抵、そこに愛情はないって感じで話すじゃない。(堕胎に関しては)憎しみや鬱って感情しか見当たらない。私は、堕胎を経験した女性を知ってるわ。でも、そんな女性たちに向けた歌って存在しないのよ。もしくは堕胎を経験した瞬間のカタルシスを表した曲や、そんな女の子達を音楽で癒す音している曲が。この曲は、私にとっても、いち女性としてとても重要な曲。あと、そうした女性を気にかけているリスナーにとっても重要な曲だと思うわ」(著者抄訳)

少し話が逸れますが、2016年に公開された映画に「Barbershop3 :The Next Cut」というブラック・ムーヴィーがあります。アイス・キューブ主演の人気シリーズだから、知ってる方も多いのではないかしら。

この物語、シカゴの中でも犯罪都市として悪名高いサウスサイドと呼ばれるエリアを舞台にしているんです。で、シリーズ三作目となる本作でも、キューブ演じるカルヴィンの息子がギャングのメンバーに加入するのでは?という懸念から端を発して、広がる少年犯罪をどうやって防ぐべきか?ローカル・コミュニティとして何か出来ることは?と奮闘・葛藤する様子がストーリーの軸として描かれます。つい先日、カニエ・ウエストとドナルド・トランプが面会したことが話題になりましたが、カニエ自身、ツイッターで「シカゴの現状をどうにかして欲しくてトランプに会った」と呟いていましたよね。

例えば、チーフ・キーフやリル・ダークといった、現代のシカゴ・サウスサイドをレペゼンする若手MCたちは、ローカルのギャング団に入っていることを誇りにし、そのハードな暮らしをラッパーとしてのアイデンティティにしているわけです。言ってみれば、彼らがラップする過激な歌詞というものは(誇張はあるのかもしれないけど)実際にシカゴが直面している社会問題と直結するもの。しかし、私たちはそれをエンターテイメントのコンテンツとして享受している…と、「Barbershop3」を観ながらそうしたアンビバレントな事実を改めて考えてしまいました(この問題については、常にしばしば考えてしまいます)。ただ、このあたりのことはシカゴきってのリリシストかつ活動家であるコモンがアルバム『Nobody's Smiling』でしっかりと問題提議しています。

ちなみに最近、CNNが報じたニュースによると、シカゴの犯罪発生件数は過去19年で最大となったそうで、そのうち、銃撃事件が1年間で3,550件だとか…1日に約10件のペースです…。

そんなことを思いながらノーネームの作品を聴くと、終わりのない問題がぐるぐると頭をよぎってしまいます。柔らかい語り口の奥に、彼女が育ったバックグラウンドや、ここ東京では計り知れないほどのタフな状況があるのかと…。先ほどの「Bye Bye Baby」一つとっても、東京とシカゴの堕胎率、そして堕胎に至る経緯に関しては大きな違いがあるのかもしれないですよね。

シカゴ出身の女性MCといえば、バディ・ガイの娘でもあるショウナがいましたけど、このノーネームがこの先どんなストーリーを語ってくれるのか非常に楽しみでもあります。そして、チャンス・ザ・ラッパーや彼女のような新しいアーティストのパワーによって、地域のコミュニティが若者によってより健全な場所となりますように、とも願わずにいられません。

ノーネームのEP『Telefone』の全曲分のリリック&解説はこちら。

 それでは〜。

 

<作品メモ>THE ART OF ORGANIZED NOIZE(アート・オブ・オーガナイズド・ノイズ)

以下、Netflixで鑑賞したドキュメンタリー映画「THE ART OF ORGANIZED NOIZE(アート・オブ・オーガナイズド・ノイズ)」の感想文です。

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<ヒップホップの創世記>というと、当たり前のように70年代後半のニューヨーク、サウス・ブロンクスがフォーカスされ、ついで80年代後半の西海岸へとスポットライトが当たる。そして、90年代の黄金期サウンドとしてDJプレミアピート・ロックといったイーストコーストを中心に活動した名プロデューサーの名前がクローズアップされ、そのあとに続くのはパフ・ダディが築いたバッドボーイ帝国や、Dr.ドレーのアフターマス王国あたりと言ったところでしょうか。私も90年代後半ごろからUSのヒップホップ・サウンドを追い始めて、最初は先輩に「DJプレミアからディグれよ」みたいなことを言われたのだけど、正直、当時は一つのループで作り出されるトラックがとても単調に聴こえてしまって、はっきりとフックのコーラスがフィーチャーされているGファンク系のサウンドや、バウンシーな南部のサウンドの方がとっつきやすかったの。ナズの『Illmatic』を聴いても「あれ?今の曲、フックはどこだったの…?まさか、あのサンプリングの部分がフック…!?」みたいな。

というわけで、80年代後期〜90年代の米ヒップホップ史においてはニューヨークとロサンゼルス以外の地域はほぼシカトされることが多い。たまにマイアミの2ライヴ・クルーやヒューストンのスカーフェイス、UGK、そしてアトランタアウトキャストらの名が挙がるくらいでしょうか。話が前後してアレだけど、私は中学二年生くらいの時期にグッディー・モブ「Cell Therapy」を聴いて、その泥臭いトラックとラップの虜になってしまった。

その頃、モニカやアッシャー、TLCといった大好きなR&Bアーティストがこぞってアトランタ出身だということに気がつき、グッディー・モブもまたアトランタ出身だということに気がついた私はめちゃくちゃ興奮したのを覚えています。極め付けは1999年に安室奈美恵さんが発表したシングル「Something ‘Bout The Kiss」で、その曲のプロモーションには必ず「ダラス・オースティンのプロデュースによる」という文句がついて回っていた。

で、当時たまたまチェックしていたTLCのアルバム・クレジットにもダラスの名前を見つけて一人でニヤニヤしていた気がします(ちなみに中学生の私はアルバム・クレジットの欄を歌詞だと勘違いして熱心に読み込んでいた。そのおかげで、早いうちからプロデューサーやサンプリングのネタ元などを知ることができたと思う)。てゆうか、この曲ってデモテープで仮歌を入れていたのがモニカだって話をTVかどこかで聴いた気がします。

そんなこんなで、私が15年以上ファンを続けていたアトランタ・シーンのサウンドを作り出す名プロデューサー・チーム、オーガナイズド・ノイズ(ON)の裏側を余すところなく伝えてくれる本ドキュメンタリー作品はとにかくツボな部分だらけで、2016年10月のNetflix公開からかれこれ3度は観た。知らない貴兄のために記しておくと、ONはリコ・ウェイド、レイ・マーレイ、そしてスリーピー・ブラウン(めっちゃ伊達男♡)からなるプロデューサー・チーム。詳しくは『The Art Of Organized Noize』本編をご覧頂きたいのだけど、アウトキャストのプロデュースや、TLC「Waterfalls」、アン・ヴォーグ「Don’t Let Go(Love)”などを手がけたチームです。

元祖ダーティー・サウス!!

本編では彼らの成功、そしてアウトキャストやグッディー・モブ、ダンジョン・ファミリーらチームとの別離を生々しく伝えていて、今になってやーっと「ああ、あの時はそんな心境だったんだ」と知ることも多かった。あの頃は、いちいちSNSでその時の感情をスプレッドしていた時代じゃないからね。ペブルスがLA・リードへとONのことを紹介して見事La Faceとの契約に至った経緯や、そのあと、LaFaceのクリスマス・コンピ用にアウトキャスト「Player’s Ball」を作ったエピソード、そのMVの中で、「アトランタらしさ」を出すためにわざわざアトランタ・ブレイヴスのユニフォーム・シャツに着替えたこと、そしてヒットのあとに薬物中毒に陥ってしまったことなど、本人たちはもちろん、周りにいた当事者たちの意見も交えながら見事にドキュメンタリー映画として構築していて素晴らしかった。ちなみにメガホンを取っているのはQDIIIこと、クインシー・ジョーンズ・三世。あのクインシー・ジョーンズの息子さんだそう!なんでこのフィルムを撮ることになったんだろう。初出はSXSWだそうです。QDIIIさん、どうもありがとう。

ほんでもって、本作にはグッディー・モブのメンバーであるビッグ・ギップの元奥さんであり、一時期あのルーシー・パールのヴォーカルを務め、2015年のディアンジェロの来日時にはバック・ヴォーカルとして参加していたジョイ・ギリアムや、アウトキャストのデビュー時にバックアップしていたパフ・ダディのほか、リコ・ウェイドの従兄弟でもあるフューチャー、そして現代のアトランタ・サウンドを牽引するスター・プロデューサー、メトロ・ブーミンらの発言映像も盛り込まれています。メトロ・ブーミンなんて日本のメディアで紹介されること、非常に少ないっつうかほぼゼロだと思うから、これはとっても貴重な映像だと思う。

どこかの原稿でも書いたけど、今や、マイリー・サイラスジャスティン・ビーバーらポップ・シンガーまでもがこぞってサウスのヒップホップ・ヴァイブスを取り入れているし、プロデューサーのマイク・ウィル・メイド・イットはアトランタ産のトラップ・サウンドを明らかにポップ・ミュージックへと昇華したよね。チャンス・ザ・ラッパーの『Coloring Book』が前作『Acid Rap』よりも高い評価と人気を得たのも、ゴスペル要素やSOXの面々による素晴らしいサウンド構築に加え、フューチャーや2チェインズ、ヤング・サグやリル・ヨッティーといった、旬&ある意味ポップなアトランタのMCたちを多く起用したからだと思う(言い過ぎ?)。

そんなこんなで、アトランタのヒップホップ・シーンの礎を築いたONの存在がなければ、2016年のビヨンセもカニエ・ウエストも、リアーナも、チャンス・ザ・ラッパーも存在しえなかったのではないかしら(言い過ぎ?すみません)。2016年は日本でもやたらと↑のようなアーティストにもスポットライトが当たった年だったと思うけど、去年、初めてチャンスやビヨンセの作品に触れたという方にも、このドキュメンタリー作品を観ていただければな〜と思います。今や、こんなにもパワーを持ったアトランタ産のサウンドがどのように創られていったのか(そしてそこにはどんな犠牲と葛藤があったのか)知ることが出来ますので。

ちなみにCOMPLEX誌がONのベストワークス25をまとめておりますのでご参考までにどうぞ!

The 25 Greatest Organized Noize Songs Of All Time | Complex

というわけで、2017年もホットなアトランタ・サウンドとの出会いを楽しみにすべくキーボードを閉じたく思います。

またね〜。

#BlackRiverMobb 2016 BEST75

さて、そろそろ2016年も終わりということで、私とスタイリストの黒川慎太郎の二人で組んでいる詳細不明なユニット、#BlackRiverMobb で2016年のベスト・ソング計75曲を選んでみました!#BlackRiverMobb としては、今年、イベント「#BANGBANG」を二回も開催することができ本当に充実した一年となりました。ご協力ならびにご来場くださった皆様には、心より御礼申し上げたく思います。

選出した75曲はApple Musicのプレイリストにまとめています。Aple Music内に見つからなかったものはYoutube のリンクを貼っておりますので、併せてご覧ください。基本的にハードでアホっぽい曲が多く、黒川がDJでよく掛けた曲や、私が「INSIDE OUT」で紹介した曲、我が家でよく掛っていた曲を集めました(でもって、正確には76曲あります…)。曲順に意味はないので、シャッフルで聴くのが面白いかもです。

 Gang Signs – Sad Boy

Kickin Flavor - Yung Bleu

Formation – Beyonce

あと、本ブログの最下部に、一曲ずつ雑な一言コメントを書いておりますのでおヒマな方はそちらも…。

他、私が個人的に選んだヒップホップ・アルバム10選は、Real Soundさんの記事にして頂いております。

そして、block.fm「INSIDE OUT」内で発表した「INSIDE OUT AWARDS 2016」は、書き起し名人のみやーんさんがご自身のブログにアップして下さっています。

miyearnzzlabo.com

じゃあ、またね〜。

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1. Father Stretch My Hands, Pt. 1 - Kanye West

「シカゴの思い出。出だしのヤング・メトロ・シャウトのところですでに優勝」

2. Work (feat. Drake) - Rhihanna

「実らぬ恋よ…」

3. One Dance (feat. Wizkid & Kyla) - Drake

SNLでのパフォーマンスも最高でした!」

 4. No Problem (feat. Lil Wayne & 2 Chainz) - Chance The Rapper

「おチャン、快進撃!」

 5. Gotta Lotta (feat. Lil Wayne) - 2Chainz

「2016年にスキャットマン・ジョンを蘇らせるとは…。ピーパッポ」

 6. MFN Right - 2Chainz

「マザファキンライトッッッ!!!」

 7. Low Life (feat. The Weeknd) - Future

「ダウナーなウィーケンドの方が好き。ポップスターなウィーケンドはワック」

 8. Wicked – Future

アトランタの思い出」

9. Young Fly N***a (YFN) - YFN Lucci

アトランタの思い出 pt.II」

10.  Push It - O.T. Genasis

「六本木の思い出」

11.  Get Paid  - Young Dolph

「メンフィスの若殿っぷりを見せつけた!」

 12. 2 Phones - Kevin Gates

「アルバムも最高でした!」

 13. I Got the Keys (feat. JAY Z & Future) - DJ Khaled

「コミュ力の高さ。MV良し」

14.  All the Way Up (feat. French Montana & Infared) [Remix] - Fat Joe, Remy Ma and Jay Z

「鮮やかな復活劇。ジェイの、奥さんベタ褒めヴァースも良し」

15.  X (feat. Future) - 21 Savage & Metro Boomin

「ボソボソラップ最高峰」

16.  Said n Done (feat. A$AP Rocky) - French Montana

「ネタ使いもイイね!オーマイガ!」

 17. Skrt - Kodak Black

「スカスカ〜ッ」

18.  Money Longer - Lil Uzi Vert

「名フック!」

19.  Strive (feat. Missy Elliott) - A$AP Ferg

「90年代のハウスっぽい、踊れるファーグ」

20.  THat Part (Black Hippy Remix) - ScHoolboy Q

「オケオケオケオケオケ、オケッッッ!!!」

21. Minnesota (feat. Quavo, Skippa da Flippa & Young Thug) - Lil Yachty

「DJミネソタくん from KANDYTOWN を思い出す」

22. Say Sum - MIGOS

「メロウなミゴスも白眉」

23. Pick up the Phone (feat. Quavo) - Young Thug & Travis Scott

「相性が悪いわけがない!」

24. With Them - Young Thug

「フロウ七変化」

25. Problem  - Young Thug

「フロウ七変化 pt.II」

26. Black Beatles (feat. Gucci Mane) - Rae Sremmurd

「マネキン…」

 27. Guwop Home (feat. Young Thug) - Gucci Mane

「おかえりグワップ!祝出所!」

28. St. Brick Intro - Gucci Mane

「MV最高。メリクリ〜!プレゼントはAK銃です」

29.  Icy Lil Bitch - Gucci Mane

「原点回帰」

30.  Bling Blaww Burr (feat. Young Dolph) - Gucci Mane

「シンプル・イズ・ザ・ベスト」

31. Money Machine (feat. Rick Ross) - Gucci Mane

「今期最も景気良さげな一曲」

32.  Ooouuu - Young M.a.

「ステファニー、フェラファニー」

33. Froze (feat. Lil Uzi Vert & Nicki Minaj) - Meek Mill

「彼氏に捧げるニキの本気ヴァースがいい」

34. Buddha (feat. Boyz II Men & Adrian Truth) - Tech N9ne

「B2Mの無駄遣い」

 35. Campaign (feat. Future) - Ty Dolla $ign

「今年も大活躍のタイダラ!」

36.  $ - Ty Dolla $ign

「来年も期待大のタイダラ!」

37. War Ready - Vince Staples

グライムダンスホールっぽい組み合わせが超ツボ」

38. My Carz - Snoop Dogg

「スヌープおいたん、まだまだ現役です!」

39. Double Tap (feat. E-40 & Jazze Pha) - Snoop Dogg

「ジャジー・フェイ、歌いまくりでイイ!」

40. Talk Show - TWENTY88

「恋愛相談トークショウを模したデュエットというアイデアも秀逸」

 41. Dirty Water - Marc E. Bassy

「マイク・ポズナーに通じるものがある新人シンガー」

42.  Tiimmy Turner – Desiigner

「一年間、大活躍お疲れさまでした!」

43. Redbone - Childish Gambino

「ファット・ジョーと同じあのネタ」

44.  Losing Your Mind - Raury & Jaden Smith

「二人のキャッキャ感が出ていた良かった。ドラマも」

45.  Luv – Tory Lanes

「定番ネタをこんな風にカヴァーしちゃうなんて」

46.  Surfin' (feat. Pharrell Williams) - Kid Cudi

「カディさん、お帰りなさい!」

47.  Drug Dealers Anonymous (feat. JAY Z) - Pusha T

マツダカープが登場するH-TOWNアンセム。神ってる〜」

48.  Not Nice  - PARTYNEXTDOOR

「“One Dance”やないかーい!」

49. Panda - Disiigner

「ヒップホップ史のワンヒットワンダー伝説を塗り替えた」

50.  Money (feat. Pell)   - Leaf

「NYの下町マグネット・ビッチとニューオーリンズのMC、ペル」

51. All Eyez (feat. Jeremih) - The Game

「しっとりゲーム」

52. Mad (feat. Lil Wayne) - Solange

「姉妹力」

53. Devastated - Joey Bada$$

「エモい」

54. Han Solo on 4's - Paul Wall

「ヒューストン、まだまだ行くで!」

55. Get Rich - Slim Thug

「ヒューストン、まだまだ行くで!」

56. MY PYT  - Wale

「爽やかワーレイ」

57. Ult - Denzel Curry

「いつもながらにハードモード!」

58. CRZY – Kehlani

「自殺騒動を経てバッサリベリーショートになったケラーニ嬢。アルバム楽しみ」

59. Consuela (feat. Young Thug & Zack) - Belly

「ラテン調のヴァイブスが堪んない」

60. My Favorite Part (feat. Ariana Grande) - Mac Miller

「真剣に愛を歌うマック坊…イイ!公私混同MVオブ・ジ・イヤー」

61. Remix'n a Bricc (feat. Fetty Wap, Young Thug & Starrah) - Bricc Baby

「アホっぽさが◯」

62. Magic City Monday (feat. Future & 2 Chainz) – Jeezy

アトランタ万歳〜!Magic City行ってみたい〜!」

63. Mudd (feat. Yung Bleu) - Boosie Badazz

「師弟コンビ、イイですね!」

64. F Cancer (Boosie) [feat. Quavo] 0 Young Thug

「癌を克服したブーシー、本当におめでとうございます」

65. Memoirs of a Gorilla - $uicideBoy$

「うるささ」

66. Thug (feat. YG)  - AD & Sorry Jaynari

「うるささ pt.II」

67. Juice (feat. Ty Dolla $ign, The Game, O.T. Genasis, Iamsu! & K CAMP) [Remix] - AD & Sorry Jaynari

「西のヤンキー勢ぞろい!!」

68. Go Flex - Post Malone

「ゆるふわギャング的ヴァイブス」

69. Yamborghini High (feat. Juicy J) - A$AP Mob

「待ってました!」

70. Down In the DM - Yo Gotti

「ヒット御礼。SNS+スケベ心」

 71. Playa No More (feat. A Boogie With Da Hoodie & Quavo) - PnB Rock

「元ネタがほぼ同名のアレ」

 72. For Free (feat. Drake) - DJ Khaled

オールドスクールなヴァイブスもあって良い」

 73. Mr. Tokyo – MadeinTYO

「来年も来日(つか帰国?)してくれるかな?」

 74. Gang Signs – Sad Boy

「ガチギャング」

75. Kickin Flavor - Yung Bleu

アラバマの新鋭!めちゃ注目株」

76. Formation – Beyonce

「女王🐝🍋👑」